ギ・ド・モーパッサン(Guy de Maupassant、1850年 – 1893年)の『水の上』(Sur l’eau)は、1888年に出版された作品で、フランスのコート・ダジュール(フランス・リビエラ)での8日間のクルーズを日記形式で綴ったものとして提示されています。
作品の構成と内容
この作品は、一見すると航海日誌のような体裁を取っていますが、実際には以前に書かれた記事やエッセイ、モノグラフなどを集めて、航海旅行という枠組みの中に構造的に配置したものです。各章には日付が記され、ニース、カンヌ、アガイ、サン・ラファエル、サン・トロペなどの地名も登場します。
しかし、実際の航海に関する記述は本全体のごく一部にすぎません。大半のページは、モーパッサンの以下のようなテーマに関する思索で占められています:
- 戦争
- 社会
- 女性
- 人類の試練
- 憂鬱(スプリーン)の発作
航海に関する記述
航海に関する記述は少ないものの、その部分は非常に優れた内容となっています。これらの記述は、今では失われてしまった未開の世界の魅力的な描写となっています。例えば:
- マスツーリズムがまだ存在しない時代
- 混雑したマリーナがない
- 帆船には補助エンジンがなく、港に錨を下ろす
- 天気予報は経験豊富な古参の船乗りが行う
- ヨットや帆船は早朝の陸風を利用して出港し、海上では帰港のために海風を待つ
作品の評価
モーパッサンの美しい文章(フローベールの弟子らしい)や、フランス史を数語で要約した面白い愛国主義的な記述はありますが、彼の思索は現代の読者の想像力を捉えるには至らないかもしれません。
しかし、航海に関する数少ない記述は秀逸で、失われた未開の世界の魅力的な描写となっています。これらの断片的な航海の記述が本書の真の魅力ですが、残念ながら全体を推薦するほど多くはありません。
『水の上』は、モーパッサンの最も初期の作品の一つとしても知られています。また、この作品はエドゥアール・リウによって挿絵が描かれ、1889年にはローラ・エンソーによる英訳がラウトレッジ社から出版されました。


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