『大パリニッバーナ経』(マハーパリニッバーナ・スッタ)は、仏教の開祖ゴータマ・ブッダの最後の旅と入滅を詳細に描いた重要な経典です[1][2]。この経典はパーリ仏典の長部(ディーガ・ニカーヤ、※注1)に収められており、ブッダの生涯の中で最も詳細に記録された部分を含んでいます[1][11]。
※注1:長部(パーリ語: Dīgha Nikāya、ディーガ・ニカーヤ)は、パーリ語経典の経蔵を構成する「五部」(パンチャ・ニカーヤ)の第1番目に位置する「部」(ニカーヤ)です[1]。その名の通り、長編の経典を集めた領域であり、漢訳仏典の『阿含経』の中の『長阿含経』に相当します[24]。
経典の概要
『大パリニッバーナ経』は、80歳のブッダが王舎城(ラージャガハ、おうしゃじょう)の霊鷲山(りょうじゅせん)から最後の旅に出発し、マッラ国のクシナーラーで入滅するまでの言行、そしてその後の火葬と遺骨分配の様子を描いています[4][21]。この経典は、ブッダの最後の教えや指示、弟子たちとの対話、そして彼の死に至るまでの出来事を詳細に記録しています。
主な内容
- 最後の旅路:
ブッダは王舎城を出発し、パータリプッタ、ヴェーサーリー、パーヴァーを経て、最終的にクシナーラーに到着します[10]。 - 重要な教え:
旅の途中、ブッダは弟子たちに様々な教えを説きます。特に重要なのは、自己と法(ダルマ)に頼るべきという教えです[22]。 - 病と決意:
ヴェーサーリー近郊のベールヴァ村で重病に罹りますが、ブッダは意志の力で病を克服します[10]。その後、3ヶ月後に入滅する決意を表明します[10]。 - 最後の食事:
パーヴァーで鍛冶工チュンダから供養された食事が原因で、ブッダは重篤な病に陥ります[10]。 - 入滅の場面:
クシナーラーに到着したブッダは、2本のサーラ樹(沙羅双樹)の間で横たわり、最後の教えを説いた後、入滅します[10][22]。 - 遺体の火葬と遺骨分配:
ブッダの遺体は火葬され、その遺骨は8つの国や部族に分配されます[1]。
経典の特徴
- 歴史的価値:
この経典は、ブッダの生涯と初期仏教の発展に関する重要な歴史的情報を提供しています[1]。 - 教義的内容:
経典には、ブッダの核心的な教えや、彼が重視した修行の方法が含まれています[12]。 - 人間的側面:
ブッダの病や死の描写は、彼の人間的な側面を浮き彫りにしています[22]。 - 奇跡と神秘:
経典には奇跡や神秘的な出来事の描写も含まれており、これらをどう解釈するかは議論の対象となっています[22]。 - 弟子たちとの関係:
特に愛弟子アーナンダとの対話が多く描かれ、ブッダと弟子たちとの関係性が浮き彫りになっています[22]。
経典の意義
『大パリニッバーナ経』は、ブッダの最後の教えを伝えるだけでなく、初期仏教の教団運営や弟子たちの人間模様も垣間見せる重要な文献です[22]。また、この経典は「人間ブッダの探求」という視点から、ブッダの人生哲学や実存的な意味を考察する上でも重要な資料となっています[22]。
さらに、この経典はブッダの死を描くことで、仏教の核心的な教えである無常や苦、解脱の意味を強調しています。ブッダ自身が老いと死に直面する姿を通じて、すべての存在の無常性と、それを超越する涅槃の境地が示されているのです[12][15]。
『大パリニッバーナ経』は、仏教の歴史、教義、そして人間としてのブッダの姿を理解する上で、今なお重要な意味を持ち続けている経典だと言えるでしょう。
Citations:
[1] https://en.wikipedia.org/wiki/Mah%C4%81parinibb%C4%81na_Sutta
[2] https://www.wisdomlib.org/concept/mahaparinibbana-sutta
[3] https://library.fiveable.me/key-terms/introduction-buddhism/mahaparinibbana-sutta
[4] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%88%AC%E6%B6%85%E6%A7%83%E7%B5%8C_(%E4%B8%8A%E5%BA%A7%E9%83%A8)
[5] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%88%AC%E6%B6%85%E6%A7%83%E7%B5%8C
[6] https://www.jstage.jst.go.jp/article/todaibusseibunka/58/0/58_70_4/_html/-char/ja
[7] https://chuaphucdien.com/a-summary-of-mahaparinibbana-sutta-in-digha-nikaya/
[8] https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-9832690056
[9] https://intweb.co.jp/miura/myhaiku/buda/buda_saigonotabi_2-9.htm
[10] https://www.iwanami.co.jp/book/b246354.html
[11] https://encyclopediaofbuddhism.org/wiki/Mahaparinibbana_Sutta
[12] https://palisuttas.com/2015/02/01/mahaparinibbana-sutta-dn-16-r/
[13] http://www.three-vajras.com/16-mahaparinibbana-sutta/
[14] https://inquiringmind.com/article/0601_06_sutta_steven-smith/
[15] https://palisuttas.com/2014/04/13/final-teachings-of-the-budhda-37-spiritual-principles-of-the-mahaparinibbana-sutta/
[16] https://www.aimwell.org/mahaparinibbana.html
[17] https://www.accesstoinsight.org/tipitaka/dn/dn.16.1-6.vaji.html
[18] https://en.wikipedia.org/wiki/Mah%C4%81y%C4%81na_Mah%C4%81parinirv%C4%81%E1%B9%87a_S%C5%ABtra
[19] https://books.rakuten.co.jp/rb/81960/
[20] https://www.youtube.com/watch?v=rHcwEozIHMg
[21] https://www.weblio.jp/content/%E5%A4%A7%E8%88%AC%E6%B6%85%E6%A7%83%E7%B5%8C+(%E4%B8%8A%E5%BA%A7%E9%83%A8)
[22] https://bookmeter.com/books/605080
[23] https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/C_00030.html
[24] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E9%83%A8_(%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AA)



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